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「遺産を寄付する遺贈寄付」について

目安時間 9分

昨今遺贈寄付という言葉を
良く耳にするようになってきました。

 

その関心の高まりにあわせて
今回は遺贈寄付のことについて

 

その進め方

メリット、デメリット

 

について

まとめてみました。

 

1,遺贈寄付とは

遺贈寄付とは、個人が遺言によって遺産の全部、
または一部を公益法人や自治体、NPO法人、学校法人、
などの公益団体に寄付をすることをいいます。

 

現在の日本では、生涯結婚しない人が増えています。

 

2023年の国勢調査で、男性28.25% 女性17.85%

 

又、子供のもたない夫婦の割合も増えていて
2021年の国勢調査では、12.3%となっています。

 

そのことから、「遺産を子供に相続する」ということが
当たり前のことではなくなってきています。

 

あわせて
少子高齢化社会で福祉への関心も高まり、
地域社会のそういった団体へ貢献したいという方も増え
そういった団体に資金の貢献ができる
遺贈寄付に関心がある人が増えてきました。

 

2,遺贈寄付の方法

①遺言による寄付

財産の全文または一部を公益団体寄付することを
遺言で残しておく方法です。

 

ポイントは、
遺贈寄付に不満を持つ相続人がいても、確実に実行できるよう
遺言執行者を決めておくことです。

 

遺贈寄付の遺言執行者は
法律の知識や手続きに経験のある

弁護士などの専門かに任せると良いでしょう。

 

②死因贈与による寄付

寄付先の公益団体とあらかじめ贈与契約を結んでおく方法です。

 

③生命保険による寄付

生命保険に加入し、死亡保険金受取人に公益団体を指定しておく方法です。

 

④信託による寄付

財産の全部または一部を公益団体に寄付する目的の信託契約を
受託者(信託銀行など)との間で締結しておく方法です。

 

⑤相続人に寄付を依頼しておく

死後、相続人によって遺贈寄付することを
エンディングノートや手紙などで相続人に依頼しておく

 

どの方法にするかは、意思の残し方や手続きの方法を見比べ、自分に
合った方法を選択するのが良いでしょう。

 

3,メリット

①社会貢献ができる

遺贈寄付は、自分のお金を社会のために役立ててもらえることが
前提の寄付で、相続税も免除されています。

 

人は特に晩年においては、誰かの約に立ちたいという思うものです。

その思いを実現できる満足感は何物にも代えがたいものだと思います。

 

又、生きている間はその後の生活費のこともあり寄付をすることが
難しくても、遺産として残るものの中からなら比較的
大きな金額の寄付も可能となります。

 

②相続人がいない方の財産の承継先を決められる

相続人のいない「おひとりさま」の財産は、

本人が亡くなったら原則としてその財産は「国庫」に帰属されます。

「国庫」に帰属された財産は、国に判断でその資金の
使い道が決まってしまいますが、

 

遺贈寄付により自分で行先を具体的
に決めることができ、それが自分のゆかりのある団体や
応援したい分野でお金を使ってもらえるのなら、
それだけ満足感も大きくなると思います。

 

③相続税と所得税の節税ができる

・相続税と所得税の節税ができる

4,相続税などの税関係について

遺言により寄付を受けた公益法人には、

原則相続はかかりません。

 

特別な手続きも不要です。

 

ただ、寄付を受けた法人が株式会社の場合には、

相続税は課税されなくても法人税が課税されます。

 

又、寄付を受ける方が個人である場合や、

法人格を持っていない団体の場合は相続税がかかります。

 

特例としてその団体の活動内容によっては
相続税が免除される場合もあります。

 

また、遺言による遺贈寄付は、

被相続人の所得税申告である準確定申告で
寄付金控除を受けることもできるので
相続税と所得税の両面で節税ができる

ということになります。

 

又、相続後に相続人が寄付をした場合も
相続の申告期限(被相続人が死亡したことを知った日の翌日から
10か月以内)に、独立行政法人、社会福祉法人、一定の学校法人、
公益社団・財団法人、認定NPO法人など(一般社団法人、一般財団法人
や認定を受けていないNPO法人や宗教法人等は対象外)
に寄付をした場合、その財産にかかる相続税分は非課税になります。

 

その分累進税率の相続税率が下がれば、
寄付する以外の相続財産の相続税の節税にもなります。

 

又、相続人の確定申告で寄付金控除を受けることができますので
相続税と所得税の両方の節税ができるということになります。

 

5,注意点

①不動産を遺贈寄付する場合、みなし譲渡税がかかる

遺贈寄付をする財産が不動産の場合、相続税は発生しなくても
以下のみなし譲渡税が発生してしまいます。

 

(譲渡時の不動産の時価-取得費相当額)×譲渡税率

 

取得費相当額のうち、当初の不動産の取得金額が不明な場合は
寄付時点の不動産の時価×5%を当初の取得費として計算しますので
結構大きな税額となってしまいます。

 

そのため、不動産を寄付しようと考えている場合は
発生してしまうみなし譲渡税をどうするか?

どの資金で捻出するか?

相続発生後に遺言執行者が現金化するように契約しておくか?

など、事前に対策をしておく必要があります。

 

②遺留分に配慮した金額で寄付をする

相続人のうち、配偶者、子供、父母には、相続財産に
対する最低限の取り分(遺留分)が保証されています。

 

遺留分まで寄付してしまうと、

万が一そのことを不満に思う相続人がいた場合、
寄付先にその相続人が「遺留分侵害請求」を行う可能性があります。

 

それでは、良かれと思っておこなった遺族寄付という行為が
反対に寄付先に迷惑をかけるということになってしまいます。

 

おわりに!

遺贈寄付は、長い人生における最後の社会貢献になります。

 

おひとりさまにとっては、自分の遺産の活用方法を
お世話になった団体や応援したい先に有効に
その財産をつかってもらえる手段になります。

 

又、相続人がいる方も、たくさんの財産を相続人である子供に
全部相続するよりも、その相続人が住み続ける地域に貢献している団体に
遺贈寄付することで、

それが巡り巡ってその子供を幸せにするかもしれません。

 

又遺贈寄付は、相続税や所得税の節税になる場合もあります。

 

そういったことから、

今後の日本社会の中で、遺贈寄付が増えていく予感が
しています。

 

それが巡り巡って日本社会の良い循環に
つながっていくのではないでしょうか。

 

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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格) ・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 ・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定) ・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) ・宅地建物取引士  ・証券外務員1種

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