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「賃貸不動産の法人化と相続対策」について

目安時間 11分

賃貸不動産を法人化する目安は、

不動産所得が1000万円を超えてくる

効果がでやすいので、検討を始めても良い
かもしれません。

 

賃貸事業の法人化は、
将来の相続税の節税対策になるということをはじめ
様々なメリットがあります。

 

一方でデメリットもあるので、その両方をちゃんと見て
検討することが必要になります。

 

それぞれのポイントを見ていきたいと思います。

 

賃貸不動産の法人化が相続対策になる仕組み

1.相続人が出資者になり、法人をつくる

推定相続人となる方が出資して、賃貸事業運営の
法人をつくります。

 

その株式を推定相続人が保有することで、
法人の株式は、相続財産にならないことになります。

 

又、資本金を1000万円以下にすることより、
法人設立後最初の2年間は
消費税が免除されるので、
資本金1000万円以下で法人を立ち上げます。

 

2.建物を法人に売却(譲渡)する

賃貸事業を行っている不動産の
建物部分を、被相続人個人から設立した法人へ売却します。

 

売却金額は、税務上の建物の時価(帳簿上の未償却残高
を用います。

 

帳簿上の未償却残高で売却することで、
譲渡益による譲渡税の発生を防ぐことができます、

 

法人に買い取る資金が無い場合は

被相続人からの長期借入としますが、
その利息を支払う必要はありません。

 

3.「土地の無償返還に関する届け出」をする

土地の部分は、法人に売却しません。

 

その理由は、土地の売却は時価になり
建物とは違い減価償却などもできなく、

被相続人が取得した時から売却に至る期間の

含み益が高額になり、
譲渡税が多額になる傾向が多くなる

ということが挙げられます。

 

又、土地財産がそもそも高額なため
土地を売却して得た資金が被相続人の相続財産評価

に加わってしまい、却って相続税が
増えてしまうことも多いからです。

 

そこで、建物だけを設立法人に売却する
のですが、

 

土地が個人所有で建物が法人所有の場合、
その土地には借地権は発生します。

 

借地権には、権利金の授受が必要になります。

 

そこで、「土地の無償返還に関する届け出」をすることにより、
法人が適正な地代を個人に支払えば、権利金の授受が
必要なくなります。

 

又、「土地の無償返還に関する届出」をすることで
貸宅地の評価減(20%控除)や
貸し付け事業宅地として、
小規模宅地の特例(200㎡まで50%評価減)
も使うことができます。

 

賃貸事業を法人化するメリット

1.相続対策(分割・納税・節税)になる

【分割】

法人化すると、相続資産が不動産から株式になり
資産が分けやすくなります。

 

【納税】

法人の役員を相続人にすることで、
その法人から得られる役員報酬を蓄積することができます。

その蓄積できた資金を納税資金の準備とすることが可能になります。

 

【節税】

法人化して、不動産資産が株式資産に変わることで
相続税評価額が下がり、相続税額が低くなる傾向にあります。

 

又、個人のまま賃料収入を蓄積してしまうと
その分個人の資産が膨らみ、相続税が増えてしまい
ますが、

 

役員になった相続人に役員報酬
というかたちで相続資産を贈与税や相続税なしに
分散することができ、被相続人個人の相続資産への

蓄積を回避できるようになります。

 

2.所得の税区分を所得税から法人税にできる

個人の所得税は累進税率になり、所得が増えるに従い
税率が上がりますが、法人は累進税率ではありません。

 

個人の所得税率の最高税率が45%であるのに対し、
法人税は最高でも23.2%です。

 

そのため、不動産所得が一定の金額(1000万円前後)を越えると
法人の方が適用税率で、有利になるということになります。

 

3.給与所得控除がある

法人にして給与を受け取る際に、
給与所得控除という一定の控除が受けられ、
課税される所得をさらに圧縮
することができます。

 

4.経費に計上できる項目が増える

個人事業の場合は、事業者と消費者の2つの立場が存在すること
より、これらを区分して経費にできる範囲が定められています。

 

一方法人の場合は、全ての活動が事業になるので、
経費に計上できる範囲が広くなります。

 

例えば、生命保険は個人事業では経費に計上できませんが
法人の場合には経費に計上することが可能です。

 

5.欠損金の繰越控除期間が長くなる

欠損金の繰越控除とは、発生した赤字を翌年移行に繰越して
その繰り越した年の黒字と相殺できる制度です。

 

それによって、納税額の調整が可能になるのですが、

 

その繰越控除ができる期間が、

個人事業が3年までのところ
法人は10年まで繰越すことが可能です。

 

5.認知症対策になる

万が一賃貸オーナーが認知症になってしまったら、
その事業の管理運営ができなくなり、事業を継続発展させる
事が難しくなります。

 

法人化により、管理運営もその法人に移すことで
オーナーの認知症のリスクも回避できるようになります。

 

賃貸事業を法人化するデメリット

1.赤字でも税金が発生する

個人事業の場合では、赤字の場合には課税されませんが
法人の場合は、均等割りというものがあり
最低でも年間7万円は、必ず税金を納める必要があります。

 

2.社会保険の加入義務

事業者を含む1名以上の法人には、社会保険の加入義務が
発生します。

 

そのため、厚生年金と健康保険の半分は会社負担になり、
また労災保険は、全額会社負担となります。

 

3.手間やコストがかかる

会社設立には、株式会社で20から30万円前後
のコストがかかります。

 

又、会計処理も個人よりも法人の方が複雑なため、
そこに対応するスタッフや、税理士報酬などのコストが
かかる可能性があります。

 

賃貸事業法人化の3つの運用携帯

1.不動産保有方式

今まで話してきた法人の運営形態は、
法人が建物を保有するかたちの
この「不動産保有会社方式」になります。

 

設立した会社が賃貸住宅の所有者となり、
賃料などの収入が会社に入ります。

 

賃料が全額不動産会社に入るため、
その分所得税の分散効果が大きくなり、
オーナーへの資産の蓄積を回避することが
可能になり、相続税の節税もできる
ことになります。

 

2.不動産管理会社方式(管理料徴収方式)

設立した会社が不動産の管理や集金をして、
不動産オーナーから管理料を受け取る方式です。

 

管理料は適正に設定する必要があり
賃料の5%前後が適正といわれています。

 

それを越えると税務署に否認される可能性があります。

 

個人の給与所得控除が使えることにより
個人事業での不動産所得に比べ負担税額を
抑えられる効果があります。

 

3.不動産管理会社方式(一括借り上げ方式)

個人から賃貸住宅を一括して借り上げ、
他の入居者に転貸する方法です。

 

賃料は会社が回収し、そこから管理料などコストを
引いて不動産オーナーに支払います。

 

借り上げた代金として個人に支払う金額は、
満室賃料の80~85%程度が最大で、それ以上に
なると税務署から認められないことがあることが
注意点になります。

 

又、法人が空室リスクを保有することになり
入居者が決定しない場合でも、法人は
オーナーに借り上げ賃料を
払い続けなければなりません。

 

効果は、
不動産所得を個人(オーナー分)と法人にわけることで
オーナーの所得税を減らせます。

 

なお、個人の所得金額が減った分の金額は、オーナーの設立した
不動産管理会社に利益として残るということになります。

 

おわりに!

相続対策を加味した、不動産事業の法人化ということで
今回は、「不動産保有会社方式」を中心に書きました。

 

不動産保有方式は、効果が大きい一方で
不動産を法人が買い取るため、設立の難易度も
高く、デメリットになる場合もしっかり
見据える実行する必要があります。

 

例えば、建物の譲渡価格が固定資産税評価と比べて
高額な場合は、かえってオーナーの相続財産
を増やしてしまい、相続税が高くなって
しまう場合もあります。

 

又、被相続人の債権(設立した会社への
貸付金など)が残っているような状況で
相続が発生すると、その債権も相続財産になり
節税効果がなくなってしまう場合もあります。

 

そのため、
相続対策を見据えた、「不動産保有方式」の
賃貸事業の法人化では、
被相続人と相続人全員の相続後までを視野にいれた
希望の人生設計を確認し、長期的な視点で綿密な計画をたて
プランの実行をしていくことが重要です。

 

 

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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格) ・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 ・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定) ・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) ・宅地建物取引士  ・証券外務員1種

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