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相続対策になる生前贈与の非課税制度7選と活用ポイント

目安時間 27分

「相続税をできるだけ減らしたい」「子や孫に早めに財産を渡したい」──。
そんな方に活用してほしいのが、生前贈与の非課税制度です。

2025年現在、日本では資産が上の世代に偏りがちですが、非課税制度を活用すれば、若い世代への資産移転をスムーズに行い、同時に相続税対策にもつなげることができます。さらに、住宅取得や教育資金、生活費のサポートなど、目的に応じた制度を組み合わせることで、最大限の節税効果を狙うことも可能です。

ただし、それぞれの制度には上限額や対象年齢、使い切れなかった場合の課税ルールなど注意点があります。また、2024年改正で「相続時精算課税制度」に年間110万円の基礎控除が加わるなど、制度内容も年々変化しています。

本記事では、生前贈与の非課税制度7選をわかりやすく解説し、制度ごとの特徴・メリット・注意点を比較できるようにまとめました。
相続や贈与の最新情報を押さえて、あなたの家族に合った贈与計画を立てていきましょう。

 

2025年版・生前贈与の非課税制度とは?【最新改正ポイント】

生前贈与の非課税制度の役割

生前贈与の非課税制度とは、贈与税がかからない範囲で財産を子や孫などに渡すことができる仕組みです。
相続発生前に財産を移転することで、相続税の節税効果若い世代の生活・教育・住宅支援を同時に実現できます。

特に日本では資産が高齢世代に集中しており、この制度を使うことで資産の世代間移転がスムーズになり、経済全体の活性化にもつながるといわれています。

制度の全体像

2025年現在、代表的な非課税制度は以下の7種類です。

  1. 暦年贈与(基礎控除110万円)
  2. 相続時精算課税制度(基礎控除110万円付き)
  3. 教育資金・生活資金の贈与(必要都度非課税)
  4. 教育資金の一括贈与(上限1,500万円)
  5. 住宅取得等資金贈与(上限500万~1,000万円)
  6. 配偶者控除(おしどり贈与:上限2,000万円)
  7. 結婚・子育て資金贈与(上限1,000万円)

この7制度を目的別に組み合わせることで、贈与税や相続税の負担を大幅に軽減できます。

2024年改正で変わった重要ポイント

2024年の税制改正により、相続時精算課税制度は大きく見直されました。主な変更点は次のとおりです。

  • 年間110万円までの基礎控除が新設
  • 基礎控除分には「持ち戻し」がない(相続時に加算されない)

これにより、相続時精算課税制度でも、従来のような「一括で多額を贈与する方法」だけでなく、毎年少額を計画的に贈与するという選択肢が可能になりました。

なお、同じ贈与者からの贈与について、暦年贈与と相続時精算課税制度を同時に併用することはできません
一度相続時精算課税制度を選択すると、その贈与者からは将来にわたって同制度が適用されるため、相続時精算課税制度の選択は慎重に判断する必要があります。

活用の基本的な流れ

  1. 目的を決める(住宅取得支援・教育資金・生活費支援など)
  2. 適した制度を選ぶ(上限額・対象年齢・管理方法を比較)
  3. 制度を組み合わせる(例:住宅取得資金+暦年贈与)
  4. 税務上の管理を徹底(申告書・領収書・金融機関手続き)

この流れを守れば、贈与の非課税枠を最大限に活かしながら相続税も減らすことが可能になります。

注意点と戦略的活用のすすめ

  • 制度ごとに期限や条件がある
  • 相続発生前7年以内の贈与は持ち戻し対象になるケースがある
  • 高額贈与は贈与後の生活資金や不動産維持費も考慮する
  • 制度改正が頻繁にあるため最新情報を毎年チェックすることが重要

特に2025年は、制度の改正後1年目にあたるため、相続時精算課税の基礎控除新設を前提に戦略を練ることが大切です。

 

非課税制度① 暦年贈与110万円の基礎控除

1.暦年贈与とは?

暦年贈与とは、1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた金額に対して課税される仕組みです。
この制度では、年間110万円までの贈与は非課税になる「基礎控除」が設けられています。

例えば、

  • 父から100万円、母から100万円を同じ年に受け取った場合 → 合計200万円の贈与
  • このうち110万円までが非課税、残り90万円が課税対象となります。

    「受贈者単位課税方式」の意味

    暦年贈与は受贈者ごとに課税されます。

つまり、受け取る人が複数いれば、それぞれに110万円まで非課税枠が適用されます。

例:

  • 祖父が子・その配偶者・孫2人に贈与する場合
    → 110万円 × 4人 = 最大440万円まで非課税

この仕組みを使えば、一度に多額の資産移転が可能です。

相続税との関係:7年持ち戻しルール

2024年改正により、暦年贈与には**「相続開始前7年以内の贈与は相続財産に持ち戻す」**というルールがあります。つまり、贈与から7年以内に贈与者が亡くなった場合、その贈与額は相続財産に加算され、相続税がかかります。

 

例:

  • 年間110万円を5年間贈与 → 合計550万円

贈与者が亡くなると、その550万円は相続財産に加算される

暦年贈与のメリット

  • シンプルで使いやすい:毎年110万円まで贈与でき、手続きが簡単
  • 複数人に贈与可能:家族や親族に分散して贈与できる

長期的な相続税対策:早めに開始すれば持ち戻し対象外の贈与額を積み上げられる

暦年贈与のデメリット・注意点

  1. 相続発生前7年以内の贈与は持ち戻される
  2. 贈与契約書を作らないと「贈与と認められない」可能性がある

生活費や教育費以外の贈与は課税対象になる可能性がある

活用のポイント

  1. 早めに開始する:7年以上前の贈与は持ち戻し対象外になる
  2. 贈与契約書を作成する:税務署対策として重要
  3. 現金の授受記録を残す:振込記録などで証拠を確保
  4. 他制度との併用:住宅取得資金贈与や教育資金贈与と組み合わせる

非課税制度② 相続時精算課税制度(基礎控除110万円付き)

相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度とは、最大2,500万円まで非課税で財産を贈与できる仕組みです。
贈与時には贈与税がかかりませんが、贈与者が亡くなった時に、その贈与分を相続財産に合算して相続税を計算します。

つまり、この制度は贈与税の負担をなくし、相続時にまとめて精算する制度です。

2024年改正の重要ポイント

2024年の税制改正で、相続時精算課税制度に年間110万円の基礎控除が新設されました。

改正前:

  • 贈与金額が1円でもあれば申告が必要
  • 少額贈与の使い勝手が悪かった

改正後:

  • 年間110万円までなら申告不要
  • 暦年贈与のように少額贈与も可能になった

この改正により、少額からの計画的贈与も可能になり、制度の利用ハードルが大幅に下がりました。

利用できる対象者

  • 贈与者:60歳以上の父母または祖父母

受贈者:18歳以上の子または孫(推定相続人)

贈与税率と課税の仕組み

  • 非課税枠:2,500万円まで
  • 2,500万円を超える部分:一律20%で贈与税が課税

年間110万円の基礎控除は持ち戻し対象外

メリット

  • 多額の財産を一度に移転できる
    → 事業承継や不動産移転に有効
  • 贈与時の税負担がゼロ(非課税枠内の場合)

110万円の基礎控除で小口贈与も簡単

デメリット・注意点

  1. 一度制度を選択すると暦年贈与には戻せない
  2. 贈与時の財産評価額が相続時に適用されるため、値下がり・値上がりの影響がない

相続時には贈与分も含めて相続税が課税される(節税効果は「納税の先送り」にすぎない)

活用のポイント

  1. 高額資産移転に向いている
    不動産や事業用資産など一括移転が必要な場合に最適。
  2. 早期の資産移転で将来の資産価値増を回避
    値上がりが見込まれる資産を早めに移転すれば、相続税負担を軽減。
  3. 暦年贈与との使い分けを検討
    教育資金や生活費の支援を行う場合は暦年贈与を、まとまった資産を早めに移転したい場合は相続時精算課税制度を活用するなど、目的に応じていずれかの制度を選択して使う。

非課税制度③ 教育資金・生活資金の贈与(必要都度非課税)

制度の概要

教育資金や生活資金は、必要な都度・必要な金額を贈与しても贈与税がかからない特例があります。
これは、親や祖父母などの扶養義務者が扶養を目的に行う贈与は課税対象外とされているためです。

つまり、子や孫の生活費や教育費を援助するための資金は、原則として非課税で渡せます。

非課税になる具体例

  • 子や孫の生活費(家賃、食費、医療費、交通費など)
  • 学校教育費(授業料、教材費、入学金、受験費用など)
  • 習い事や資格取得費用(ピアノ、英会話、国家資格受験費用など)

これらは、必要な時に必要な分だけ贈与するという条件を満たせば、全額非課税になります。

課税対象になるケース

以下のような支出は、生活費や教育費とは認められず、贈与税の対象となります。

  • 不動産購入資金
  • 自動車購入資金
  • 株式や投資信託などの購入資金

高額な贅沢品の購入資金

制度のメリット

  • 上限額がない:必要な額を全額非課税で贈与できる
  • 手続きが簡単:金融機関での特別な申告や契約が不要

柔軟に使える:教育費・生活費を幅広くカバー可能

注意点

  1. 「必要な時期」に「必要な額」を渡すことが条件
    → まとめて多額を渡すと課税対象になる可能性あり
  2. 証拠として領収書や支払い記録を残すことが望ましい

将来の税務調査に備えて支援の目的を明確化しておく

活用のポイント

  1. 日常的な生活支援はこの制度で対応
    → 他の非課税制度の枠を温存できる
  2. 教育費や医療費の領収書を保管
    → 後で贈与目的を証明できる
  3. 住宅購入や高額資産は別制度を利用
    → 住宅取得資金贈与やおしどり贈与と組み合わせる

非課税制度④ 教育資金の一括贈与(上限1,500万円)

制度の概要

教育資金の一括贈与とは、祖父母や父母が子や孫の教育にかかる資金を一括して贈与し、その金額が一定額まで非課税になる制度です。2025年時点では、上限は1人あたり1,500万円(学校以外の習い事などは上限500万円)です。受贈者は30歳未満であることが条件となります。

非課税になる具体例

  1. 学校の入学金・授業料・施設費
  2. 教材費や制服代
  3. 修学旅行費
  4. 習い事(ピアノ・英会話・スイミングなど)の受講料

資格取得や検定試験の受験料

利用の流れ

  • 金融機関で「教育資金口座」を開設
  • 贈与資金を口座に入金
  • 金融機関を通じて**「教育資金非課税申告書」を税務署に提出**

教育費支払い時に領収書を金融機関へ提出

使い切れなかった場合の課税ルール

  • 30歳到達時点で使い切れなかった残額は贈与税の課税対象

途中で贈与者が亡くなった場合、残額は相続財産に加算される

制度のメリット

  • 高額の教育資金を一度に非課税で移転できる
  • 将来の教育費負担を軽減できる

子や孫の成長に合わせて計画的に資金を活用できる

デメリット・注意点

  • 領収書提出や使途管理が必要で手間がかかる
  • 30歳までに使い切らないと課税される

贈与資金の流用は不可(生活費や住宅資金には使えない)

活用のポイント

  • 高額な入学金・学費が発生するタイミングで活用
  • 習い事・資格取得費用にも充当できるが上限500万円に注意
  • 教育資金以外の贈与は別制度を組み合わせる(例:生活費贈与、住宅資金贈与)

非課税制度⑤ 住宅取得等資金贈与(上限500万~1,000万円)

制度の概要

      1. 住宅取得等資金贈与とは、

    父母や祖父母から、子や孫がマイホームを取得するための資金を贈与された場合に、一定額まで非課税となる制度

      です。

2025年現在の上限は以下の通りです。

住宅の種類 非課税限度
一般住宅 500万円
省エネ・耐震などの優良住宅 1000万円

非課税になる対象経費

  • 土地付き住宅の購入代金
  • 建売住宅やマンションの購入代金
  • 注文住宅の建築費用

既存住宅の増改築費用(要件を満たす場合)

利用条件

  1. 受贈者が18歳以上(贈与年の1月1日時点)
  2. 贈与を受けた年の翌年3月15日までに入居すること

住宅の床面積が50㎡以上(中古住宅の場合は耐震基準を満たすこと)

利用の流れ

  • 贈与契約書を作成
  • 贈与資金を受け取り、住宅購入に充当

翌年の確定申告時に「住宅取得等資金の非課税の特例」を適用申告

制度のメリット

  • 高額な住宅取得資金を非課税で移転できる
  • 住宅ローン負担を大きく軽減できる

優良住宅を選べば非課税枠が2倍に拡大

デメリット・注意点

  1. 贈与を受けた翌年3月15日までに入居できないと非課税にならない
  2. 制度は延長される保証がなく、将来的に縮小・廃止の可能性あり

他の制度(おしどり贈与、結婚・子育て資金贈与など)との併用可否を事前に確認する必要がある

活用のポイント

  1. 制度の終了や縮小前に早めに活用
    住宅市場や税制改正の動きに注意
  2. 優良住宅の条件を確認
    省エネ性能や耐震性能の証明書が必要
  3. 他の贈与制度と組み合わせる
    例:おしどり贈与+住宅取得資金贈与で夫婦それぞれ非課税枠を活用

非課税制度⑥ 配偶者控除(おしどり贈与:上限2,000万円)

制度の概要

配偶者控除(おしどり贈与)とは、婚姻期間が20年以上の夫婦間で居住用不動産またはその取得資金を贈与した場合、最大2,000万円まで贈与税が非課税になる制度です。正式名称は「婚姻期間20年以上の配偶者への居住用不動産贈与の特例」ですが、夫婦円満を象徴することから「おしどり贈与」とも呼ばれています。さらに、暦年贈与の基礎控除110万円と併用すれば、最大2,110万円まで非課税になります。

非課税対象となる贈与

  • 居住用不動産(自宅)そのものの贈与

居住用不動産の購入資金の贈与

利用条件

  1. 婚姻期間が20年以上(婚姻届受理日から計算)
  2. 贈与を受けた翌年3月15日までに、その不動産に実際に居住していること

同一の配偶者間でこの特例を利用できるのは一生に一度だけ

利用の流れ

  1. 贈与契約書を作成
  2. 不動産の名義変更または購入資金の贈与

翌年の確定申告で「配偶者控除の特例」を適用申告

制度のメリット

  • 高額な不動産・資金を非課税で移転できる
  • 暦年贈与の110万円と併用可能で非課税枠拡大

生前に不動産の所有権移転を済ませられる

デメリット・注意点

  1. 贈与後に住まない場合は非課税にならない
  2. 登録免許税や不動産取得税は別途かかる

相続税の配偶者控除(1億6,000万円まで非課税)と比較し、必ずしも節税効果が高いとは限らない

活用のポイント

  1. 相続税の配偶者控除や小規模宅地の特例との比較が必須
    → おしどり贈与よりも相続時の特例が有利な場合も多い
  2. 住宅取得資金贈与と組み合わせも可能
    → 夫婦双方に資金を移して節税効果を拡大
  3. 登記費用や税金も試算して判断
    → 非課税でも諸費用が高額になるケースあり

非課税制度⑦ 結婚・子育て資金贈与(上限1,000万円)

制度の概要

結婚・子育て資金贈与とは、父母や祖父母が20歳以上50歳未満の子や孫に、結婚や子育てのための資金を贈与した場合、最大1,000万円まで非課税になる制度です。

 

内訳は以下の通りです。

用途 非課税限度額
結婚資金 300万円まで
子育て費用 700万円まで

非課税になる具体例

結婚費用(300万円まで)

  • 挙式・披露宴費用
  • 婚約・結婚指輪の購入費用
  • 新婚旅行費用

子育て費用(700万円まで)

  • 妊娠・出産費用
  • 不妊治療費
  • 幼稚園・保育園・小中学校・高校・大学の学費

医療費(子ども対象)

利用条件

  1. 受贈者が20歳以上50歳未満
  2. 贈与を受けた資金は**「結婚・子育て資金口座」**を通して管理

資金の使途は領収書で証明し、金融機関に提出

利用の流れ

  • 金融機関で「結婚・子育て資金口座」を開設
  • 贈与資金を入金
  • 金融機関を通じて**「結婚・子育て資金非課税申告書」**を税務署へ提出

支出のたびに領収書を金融機関へ提出

使い切れなかった場合の課税ルール

  • 50歳に達した時点で残額がある場合、その金額は贈与税の課税対象

贈与者が亡くなった場合、残額は相続財産に加算

制度のメリット

  • 結婚・出産・子育てのタイミングで大きな資金を非課税で渡せる
  • 教育資金贈与と違い、妊娠・出産費用や医療費も対象

若い世代のライフイベントを包括的にサポートできる

デメリット・注意点

  1. 領収書管理や金融機関への提出が必要で手間がかかる
  2. 上限額は結婚費用300万円、子育て費用700万円と用途ごとに制限

50歳までに使い切らないと課税される

活用のポイント

  • ライフイベントの時期に合わせて贈与
    → 出産・進学のタイミングでまとめて支援
  • 教育資金贈与や生活費贈与と併用
    → 子育て資金の不足分を補える

領収書保管のルールを家族で共有
→ 後の税務対応をスムーズに

【比較表】7つの非課税制度の特徴・上限額・注意点

7つの制度を一覧で比較(2025年版)

制度名 上限額(非課税枠) 主な対象 年齢制限 利用のしやすさ 主な注意点
暦年贈与(基礎控除) 110万円/年 誰でも可 なし ★★★★★ 相続開始前7年以内の贈与は持ち戻し対象
相続時精算課税 2,500万円 子・孫 18歳以上 ★★★☆☆ 一度選択すると暦年贈与に戻れない
教育・生活費贈与 制限なし(必要都度) 子・孫 なし ★★★★★ 贅沢品・不動産・投資資金は対象外
教育資金一括贈与 1,500万円(学校以外は500万円) 子・孫 30歳未満 ★★★★☆ 30歳までに使い切らないと課税
住宅取得資金贈与 一般住宅500万円、優良住宅1,000万円 子・孫 18歳以上 ★★★★☆ 入居期限あり、制度縮小の可能性
配偶者控除(おしどり贈与) 2,000万円 子・孫 なし(婚姻20年以上 ★★★☆☆ 一生に一度、住まなければ非課税不可
結婚・子育て資金贈与 1,000万円(結婚300万+子育て700万) 子・孫  20~50歳未満 ★★★☆☆ 領収書管理が必要、期限内使用必須

制度の特徴別おすすめ度

  1. 手軽にコツコツ型 → 暦年贈与、教育・生活費贈与
  2. 高額一括型 → 相続時精算課税、教育資金一括贈与、住宅取得資金贈与

ライフイベント特化型 → 配偶者控除(おしどり贈与)、結婚・子育て資金贈与

制度の使い分けポイント

  1. 日常的な生活支援や学費 → 教育・生活費贈与(必要都度非課税)
  2. 長期的な相続税対策 → 暦年贈与を早めに開始
  3. 不動産や事業承継など高額資産移転 → 相続時精算課税
  4. 進学や留学資金のまとまった支援 → 教育資金一括贈与
  5. マイホーム購入支援 → 住宅取得資金贈与
  6. 配偶者への自宅移転 → おしどり贈与
  7. 結婚・出産・子育て支援 → 結婚・子育て資金贈与

戦略的な組み合わせ例

  • 例1:相続税節税+生活支援
    暦年贈与+教育・生活費贈与
  • 例2:住宅購入支援+夫婦の資産移転
    住宅取得資金贈与+おしどり贈与
  • 例3:若い世代のライフイベント全面支援
    教育資金一括贈与+結婚・子育て資金贈与

    生前贈与の非課税制度を選ぶポイント

    制度選びの基本方針

    贈与税・相続税制度は、2024年改正の影響を受け、選択肢が広がった一方で注意点も増えました。

制度選びでは、以下の3つを基準にしましょう。

  • 贈与の目的(生活支援・教育・住宅・事業承継など)
  • 贈与の金額規模(少額をコツコツ/高額を一括)

相続までの残り年数(持ち戻し対象になる期間を考慮)

贈与目的別おすすめ制度

  • 日常的な生活支援や教育費 → 教育・生活費贈与(必要都度非課税)
  • 長期的な相続税節税 → 暦年贈与(基礎控除110万円)
  • 高額資産の早期移転 → 相続時精算課税制度(基礎控除110万円付き)
  • 進学や留学など大きな教育費 → 教育資金一括贈与(1,500万円まで)
  • 住宅購入支援 → 住宅取得資金贈与(最大1,000万円)
  • 配偶者への不動産移転 → おしどり贈与(最大2,000万円)
  • 結婚・子育て支援 → 結婚・子育て資金贈与(最大1,000万円)

    制度組み合わせの考え方

    複数の制度を組み合わせることで、非課税枠を最大限活用できます。
    例1:相続税節税+生活支援
    暦年贈与(110万円)+教育・生活費贈与
    例2:住宅購入支援+夫婦の資産移転
    住宅取得資金贈与(500万~1,000万円)+おしどり贈与(2,000万円)
    例3:若い世代のライフイベント全面支援
    教育資金一括贈与(1,500万円)+結婚・子育て資金贈与(1,000万円)

注意すべき最新ポイント

  1. 暦年贈与の持ち戻し期間が7年に延長
    → 7年以上前から計画的に贈与を始めると効果大
  2. 相続時精算課税制度の基礎控除110万円新設
    → 少額贈与にも使いやすくなった
  3. 住宅取得資金贈与の今後の縮小リスク
    → 制度改正前に早めの活用を

    専門家相談の重要性

    生前贈与は制度の選び方次第で、

  • 相続税の負担が数百万円単位で変わる
  • 相続後のトラブル発生リスクが大きく減る

税理士・相続専門FPなどの専門家に相談しながら、
あなたの家族構成・財産状況・ライフイベント計画に合った贈与プランを作ることが成功の鍵です。

 

まとめ:相続計画に合った非課税制度を戦略的に使おう

生前贈与の非課税制度は相続対策の強力な武器

2025年現在、7つの主要な非課税制度を正しく活用すれば、

  • 相続税の大幅軽減
  • 若い世代への資産移転の促進
  • 家族のライフイベント支援

が同時に実現できます。

制度は目的や条件によって使い分けが必要ですが、組み合わせ次第で非課税枠を最大化できます。

制度選びのポイント

  • 日常支援重視 → 教育・生活費贈与、暦年贈与
  • 高額一括移転 → 相続時精算課税、住宅取得資金贈与

ライフイベント支援 → 教育資金一括贈与、結婚・子育て資金贈与、おしどり贈与

最新制度の重要ポイント

  1. 暦年贈与の持ち戻し期間は7年 → 早期開始が有利
  2. 相続時精算課税制度に基礎控除110万円が新設 → 少額贈与も活用可能

住宅取得資金贈与は将来的に縮小・廃止の可能性 → 利用は早めに

成功する贈与計画の流れ

  1. 家族のライフイベントと財産状況を整理
  2. 適した制度を選定(必要なら複数併用)
  3. 贈与契約書や領収書など証拠を残す
  4. 制度改正情報を毎年チェック

    専門家活用のすすめ

    生前贈与は、一見シンプルでも制度の選択や組み合わせ方で節税効果が大きく変わります。

税理士や相続専門FPと連携すれば、

  • 制度をフル活用したプラン設計
  • 相続税・贈与税のミス防止
  • 家族間トラブルの回避

が可能になります。

最後に

生前贈与は「贈与して終わり」ではなく、家族の未来をデザインする重要な相続戦略です。
本記事を参考に、2025年の最新制度を上手に使い分け、あなたの大切な資産を次の世代へスムーズに、そして安心して引き継いでいきましょう。

 

 

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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格) ・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 ・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定) ・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) ・宅地建物取引士  ・証券外務員1種