50代・60代を迎えると、「老後資金は足りるか」「実家をどうするか」「相続で揉めないか」といった不安が一気に押し寄せてきます。
しかし、多くの方がこれらの「お金(経済)」の問題ばかりに目を奪われ、もっと大切な**「人生の土台」**を見落としてしまいがちです。
幸せなセカンドライフに必要なのは、実は**「3つの資産」**のバランスです。
この3つはセットです。「お金」があっても「健康」がなければ楽しめませんし、「人」とのつながりがなければ孤独です。
この記事では、FP歴17年の経験から導き出した、**「3つの資産」をトータルで整え、人生の後半戦を豊かにするための「再設計ガイド」**をお届けします。
目次
まずは、現状の「準備レベル」をチェックしてみましょう。
以下の項目に、いくつチェックが入りますか?
[ ] 老後の生活費と年金受給額の差(不足額)を数字で言える
[ ] 退職金の「守る分」と「増やす分」の配分を決めている
[ ] 自宅や実家を「将来どうするか(売る・住む)」家族と話している
[ ] 「誰に何を相続させるか」という意思を遺言などで残している
[ ] 医療・介護が必要になった時の資金計画がある
[ ] 会社以外の「人とのつながり」や「趣味」を持っている
【診断結果】
この「見えない不安」を解消するのが、次からの**「三位一体」**の考え方です。
「お金・不動産・相続」は、じゃんけんのように互いに影響し合っています。
これらを個別に最適化しようとすると、必ずどこかに歪みが生まれます。
「相続税対策でアパートを建てたら(相続の最適化)、手元の現金がなくなって老後生活が破綻した(お金の失敗)」というのは、よくある話です。
**「ライフプラン(人生の設計図)」という土台の上に、この3つを並べて「全体最適」**を目指すこと。これが唯一の正解です。
「三位一体」の威力がわかる、実際の相談事例をご紹介します。
【相談内容】
兄弟と姪の4人で共有しているアパート。「家賃収入が欲しい(姪)」と「売って現金化したい(兄弟)」で意見が対立し、長年塩漬け状態でした。
【三位一体での分析】
【結果】
「お金(運用)」と「相続(リスク回避)」の視点を入れたことで、姪御さんも「売却がベストだ」と納得。アパートは高値で売却され、全員が笑顔で現金を手にしました。
「不動産」の悩みが、「お金と相続」のことまで同時に視点を広げ解決した好例です。
もし「不動産」だけの視点で考えていたら、家族の絆は壊れていたかもしれません。
これが、私が「全体最適」にこだわる理由です。
では、具体的にどう整えればいいのでしょうか?
対話: 家族会議を開き、「想い」を共有しておくことが、最大のトラブル防止策。
どんなにお金があっても、健康を損なえばセカンドライフの質は下がります。 健康は**「最大の節約」であり、「最強の投資」**です。
退職後、会社の名刺がなくなった時、あなたには何が残りますか? 「孤独」は、健康リスクを高め、認知症の引き金にもなります。
50代からは、避けて通れない「もしも」の課題が一気に現実味を帯びてきます。
介護は突然やってきます。「誰が」「どこで」「どのように」担うか、親が元気なうちに家族で話し合っておくことが重要です。
公的介護保険で賄える範囲と、持ち出しになる費用(民間施設など)を把握しておきましょう。
相続は「争族」にならないための準備が何より重要です。
まずは財産目録(資産の一覧表)を作成し、遺言書で「誰に何を渡すか」の意思を表示しておくこと。
これが、残された家族への「最後のラブレター」になります。
今日からできる「人生再設計」のステップです。
預金、証券、保険、不動産(評価額)をすべて書き出し、一覧表にする。
「5年後にリフォーム」「10年後に施設入居検討」など、家族のイベントと費用のタイミングを書き出す。
年金と退職金だけで足りるのか? 不足するなら、不動産を活用するのか、運用で補うのかをシミュレーションする。
「なんとなく不安」なのは、**「お化け(正体不明)」だからです。
数字にして「見える化」すれば、それは「課題」**に変わり、必ず解決策が見つかります。
50代・60代は「終わりの始まり」ではなく、**「第二の人生のスタートライン」**です。
これからの30年を幸せに生きるためには、 **「経済的資産」**で安心を作り、 **「健康資産」**で動ける体を維持し、 **「人的資産」**で心の豊かさを育てる。
この3つを一本の線でつなげること。 それが、あなたとご家族の未来を守る**「最強の設計図」**になります。
この記事を読んだあなたへ
まずは「お金の見える化」から始めませんか?
失敗したくない方は、この「設計図」を手に入れてください。
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ファイナンシャルプランナー塩川
・CFP(FP上級資格)・証券外務員1種・宅地建物取引士・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定)・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) (独立系FP会社株式会社住まいと保険と資産管理 所属)」https://www.mylifenavi.net/
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