「円を持っているのが怖い」50代顧客が気づいた、年金と貯蓄の“残酷な”見える化

目安時間 10分

「年金と退職金があるから、老後は安泰だ」

そう信じて疑わなかった50代のお客様(K様)から、年明け早々、一通の衝撃的なメールが届きました。

「塩川さん、僕は今、円を持っていることに恐怖を感じています」

わずか1年前まで「投資なんて損しそうで怖い」と定期預金一筋だった彼が、なぜ今、「現金(円)を持つ方が怖い」と震えているのか?

そこには、電卓で残高を計算するだけでは絶対に見えない、**「資産の真実」**がありました。

今回は、K様の実録メールを紐解きながら、インフレ時代に我々50代・60代が直視すべき「本当の資産の見える化」について解説します。

単なる節約の話ではありません。あなたの資産が「沈む船」に乗っているか、「浮く船」に乗っているかを確認する作業です。

【実録】投資歴1年の顧客から届いた悲鳴と警告

K様は、昨年56歳で役職定年を迎えた方です。

現役時代は仕事一筋。投資経験はほぼゼロで、「退職金は定期預金にするのが一番安全」と考えていました。

しかし、私とのコンサルティングを通じて世界の経済状況を知り、資産の一部を運用に回し始めました。それから1年。

2026年の年明けに届いたメールには、投資家の顔になったK様の**「危機感」**が溢れていました。

「激動の2026年が始まりましたね。

世の中が変わるスピードが増している。インフレへの加速度がついていると感じます。

**円で持っていることに恐怖を感じたりしています。**せめて外貨にしておこうか、と(笑)」

「投資が怖い」から「円が怖い」へ。

この180度の意識転換こそが、インフレ時代を生き抜くための最初のステップです。

気づいた人、気づかない人の「残酷な格差」

K様のメールはさらに続き、同世代(50代・60代)の現状を鋭く分析しています。

「特に高齢者は、『良かった日本』の幻にどっぷり浸かっている。

足元からじわじわと日本の価値が毀損され、亡国していくインフレを直視できないと思います。

彼らは今更投資をやる時間もないし、がっつり貯めた円を溶かして死に絶えていくのだと思います。」

言葉は過激ですが、これは紛れもない真実です。

多くの高齢者は「通帳の数字(額面)」しか見ていません。「1,000万円あるから大丈夫」と安心しています。

しかし、K様のような「気づいた人」は、**「その1,000万円で、パンやガソリンがどれだけ買えるか(購買力)」**を見ています。

【シミュレーション1】1,000万円は10年後に「いくら」になるか?

仮にインフレ率(物価上昇率)が**年3%**で進んだとします。

銀行に預けた「虎の子の1,000万円」の価値は、どう変化するでしょうか?

  • 現在: 1,000万円の価値
  • 5年後: 約860万円の価値
  • 10年後: 約740万円の価値
  • 20年後: 約550万円の価値

何も使っていないのに、20年後には資産価値が半分近く消滅しているのです。

もし、これからの日本で円安が進み、輸入物価がさらに上がれば、このペースはもっと早まるかもしれません。

「元本保証だから安心」と言って円預金にしがみつくことは、**「確実に資産を半分にするリスク」**を負っているのと同じです。

これこそが、K様が「円を持っているのが怖い」と表現した恐怖の正体です。

【シミュレーション2】「現金派」vs「投資派」10年後の決定的な差

では、具体的にどう行動すればいいのでしょうか?

ここで、2人の50代男性を比較してみます。

  • Aさん(現金派):

退職金2,000万円をすべて定期預金(金利0.5%)に入れたまま。

  • K様(投資派):

退職金2,000万円を「世界株式・債券」に分散投資(年利5%運用)へシフトした。

 

【インフレ率3%の世界での10年後】

項目 Aさん(現金のみ) K様(世界投資)
額面金額 2,100万円に微増 3,250万円に増加
実質価値 約1,560万円
(目減り)
約2,400万円
(維持・増加)
結果 貧しくなった 豊かさを守れた

 

※手数料・税金等は考慮せず簡易計算

Aさんは「100万円増えた」と喜んでいますが、物価がそれ以上に上がっているため、実質的には440万円分の購買力を失っています。

一方、K様はインフレ以上のスピードで資産を成長させたため、資産価値(購買力)を守り抜くことができました。

K様がメールで**「あの時、塩川さんと出会ってアドバイスを受けたのが最大の幸運でした」**とおっしゃった理由は、この未来図が見えているからです。

政府がNISAを拡大した「本当の理由」

さらにK様は、国の政策の裏側も見抜いています。

「政府がNISAを拡大した理由が、ここにありますね。

火の車の国家財政を救うにはインフレしか道がなかった。

そしてそのためにNISAを拡大しておいた。これがからくりですね…」

国は借金(国債)の実質負担を減らすために、インフレを容認せざるを得ません。

しかし、インフレになれば国民の預金価値は目減りします。だからこそ、国は**「NISA(非課税制度)」という箱舟**を用意し、「自分の身(資産)は、自分で投資して守ってくれ」とメッセージを送っているのです。

この「からくり」に気づき、素直に箱舟(NISA・世界株式)に乗ったのがK様。

気づかずに、沈みゆく船(円預金)に残り続けているのが、K様が憂う「多くの高齢者」なのです。

【実践編】50代、60代から「安全に」円を逃がす3つの手順

「理屈はわかった。でも、50代、60代から投資を始めて暴落したらどうするんだ?」

そう不安に思う方もいるでしょう。

K様も最初はそうでした。だからこそ、私たちは**「一か八かの賭け」ではない、守りを重視した手順**で資産を移行しました。

手順1:時間を味方につける(時間分散)

退職金が入ったからといって、一度に全額を投資してはいけません。

K様の場合も、最初の資金投入は慎重に行い、残りは数年かけてコツコツと積み立てるように市場へ資金を移しています。これにより「高値掴み」のリスクを極限まで減らしました。

手順2:場所を変える(国際分散)

「日本株」だけに投資するのは、円のリスクから逃げられていません。

K様のポートフォリオ(資産配分)は、米国や全世界の株式・債券が中心です。円の価値が下がっても(円安)、外貨建て資産の価値が上がるため、自動的にバランスが取れる仕組みになっています。

手順3:現金クッションを残す

全ての現金を投資するわけではありません。

向こう10年以内に使う予定のお金や、心の安定剤としての「現金クッション」はしっかり確保します。

「使わないお金(老後資金のコア部分)」だけを、働かせるのです。

「円」から逃げる勇気:2026〜2030年が運命の分かれ道

メールの最後、K様はこう締めくくっています。

「僕が勝負だと思っているあと5年、2026~2030はおそらくこちらの想像を超えて劇的にこの国が変わる期間かと思います」

私も、IFAとして完全に同意します。

これからの5年間で、「円しか持っていない人」と「世界資産を持つ人」の格差は、絶望的なまでに開きます。

K様は、2024年に受け取った退職金という「最大の武器」を、守りに入るのではなく、勇気を持って「世界経済」へとシフトさせました。

最初は怖かったはずです。しかし今は、「僕の資産管理は万全です」と胸を張っています。

それは、「自分はもう大丈夫だ」という確信があるからです。

まとめ:恐怖を行動に変えた人だけが、老後を守れる

「円安が不安…」「物価が上がって、生活が少し苦しくなってきた…」
そんなふうに感じることは、決して特別なことではありません。
多くの方が、同じ思いを抱えながら日々ニュースを見ていると思います。

ただ、残念ながら
不安に気づくだけでは、資産は守れないのも事実です。

K様は、その不安から目をそらさず、
「今のままで本当に大丈夫だろうか?」と立ち止まり、
資産の置き場所を見直すという一歩を踏み出しました。

「円だけに預ける」のではなく、
世界全体に分散して持つ――
いわば 資産配分を整える行動 です。

その結果、インフレや円安の影響を受けにくい形をつくり、
将来への安心感を少しずつ積み上げていくことができました。

あなたの大切な退職金も、
このまま「何もしない」状態で置いておくのか、
それとも、将来に備える形へ見直すのか――
選ぶことができます。

2030年を振り返ったとき、
「あのとき相談してよかった」と思える未来を目指すなら、
今からでも、十分に間に合います。

まずはお気軽にご相談ください。

 

執筆者紹介

執筆者:塩川 卓司 (CFP® / 宅地建物取引士 / 証券外務員一種 / 相続アドバイザー) 独立系ファイナンシャルプランナー歴17年。相談実績500件以上。
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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格)・証券外務員1種・宅地建物取引士・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定)・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) (独立系FP会社株式会社住まいと保険と資産管理 所属)」https://www.mylifenavi.net/

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