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年金+資産運用で“毎月いくら使えるか”を見える化する方法

目安時間 13分

「年金だけで、老後生活は本当に大丈夫だろうか?」

50代、60代を迎えた多くの方が抱えるこの漠然とした不安。旅行や趣味を楽しみたい気持ちがあっても、「お金が足りなくなるのでは」という心配が先立ち、なかなか行動に移せない方も少なくありません。

しかし、その不安は「毎月いくら使えるか」を具体的に計算し、見える化することで大きく和らげることができます。

 

この記事では、公的年金に加えて、ご自身の金融資産をどう組み合わせれば、安心して使えるお金を確保できるのかを、具体的なステップとシミュレーションを交えて解説します。

数字を把握することは、お金の心配から解放され、心から納得できるセカンドライフを描くための第一歩です。

 

老後資金の収入源:3つの柱を理解する

老後の生活を支える収入源は、主に3つの柱で構成されています。これらを理解し、自分の状況に合わせて整理することが、計画を立てるうえでの出発点となります。

公的年金:生活の土台となる収入

日本の公的年金制度は、国民年金と厚生年金の2階建て構造です。多くの方が65歳から受給を開始し、老後の生活を支えるベースとなります。

  • 国民年金(1階部分): 20歳から60歳までのすべての国民が加入する年金で、老齢基礎年金として受け取ります。
  • 厚生年金(2階部分): 会社員や公務員が加入する年金で、国民年金に上乗せして給付されます。現役時代の収入や加入期間に応じて受給額が変わります。

夫婦2人世帯(夫が平均的な会社員)の場合、受給額は月20万円前後が目安とされていますが、個々人の加入状況で大きく異なります。正確な見込み額は、日本年金機構の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で必ず確認しておきましょう。これからの資産計画を立てるうえで、最も重要な出発点となります。

私的年金:上乗せで安心度を高める収入

公的年金だけでは不安な場合、自助努力で上乗せする私的年金が老後の収入を大きく補強してくれます。

  • 企業年金: 勤務先に制度があれば、退職後に年金として受け取れます。確定給付型や確定拠出型(企業型DC)などがあり、勤続年数や会社の方針によって受け取れる金額が異なります。
  • 個人年金保険: 契約時に決めた年齢から、一定期間または終身にわたって年金を受け取る保険です。計画的に老後資金を積み立てることができます。
  • iDeCo(個人型確定拠出年金): 自分で掛金を拠出し、運用する年金制度です。掛金が全額所得控除になるため、税制優遇を受けながら老後資金を準備できます。

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資産運用:資産寿命を延ばす収入源

退職金やこれまでの預貯金、投資で形成してきた資産をどう活用するかが、老後の生活の質を大きく左右します。低金利の時代にただ預貯金に頼っているだけでは、インフレによる物価上昇に追いつけません。

資産運用は、老後資金をただ取り崩すのではなく、安定的に増やしながら使うことで「資産寿命」を延ばすための重要な収入源となります。株式や投資信託、不動産など、リスクとリターンのバランスを考えた運用が、毎月の使える金額を増やすカギです。

 

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「見える化」の第一歩:毎月の支出を把握する

老後の安心を得るためには、収入だけでなく「支出」を正しく把握することが不可欠です。収入の見積もりに加え、出ていくお金の実態を「見える化」することで、初めて「毎月安心して使える金額」が明確になります。

必須支出:基本生活費を洗い出す

総務省の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の平均支出は月25万円前後とされています。しかし、これはあくまで平均であり、ご自身の生活スタイルや住む地域によって大きく異なります。まずは、以下の必須支出を具体的に計算してみましょう。

  • 住居費: ローンや家賃、固定資産税、マンションの管理費など
  • 食費: 外食費も含めた食料品代
  • 光熱費・通信費: 電気、ガス、水道、スマートフォンやインターネット代
  • 医療費: 定期的な通院費や薬代、保険料
  • 交通費: ガソリン代、公共交通機関の利用料

変動支出:将来への備えと楽しみのための費用

将来の計画を立てる際に、見落としがちなのが変動支出です。これらを計画に組み込むことで、より現実的で豊かな老後生活が見えてきます。

  • 医療費・介護費: 60代では少額でも、70代、80代と年齢が上がるにつれて確実に増加します。特に介護費用は予測が難しく、万が一に備えた資金計画が重要です。
  • 趣味・旅行費: 老後は「やりたいこと」に挑戦できる時間が増えます。これらの費用をあらかじめ予算に組み込んでおくことは、生活に張りを持たせるための大切な要素です。
  • 冠婚葬祭費・孫への援助: 予測が難しい支出ですが、計画に余裕を持たせることで、いざという時にも慌てずに対応できます。

これらの収入と支出の全体像を「数字」で把握することこそが、「毎月いくら使えるか」を知るための土台となります。

 

実践!毎月使える金額を算出する4つのステップ

収入と支出の全体像を整理したら、いよいよ具体的な計算に入ります。公的年金という「確定的な収入」に加えて、資産運用から得られる「変動収入」をバランスよく組み合わせるのがポイントです。

ステップ1:年金見込額を確認する

まずは、最も確実な収入源である年金額を把握します。「ねんきんネット」で最新の見込み額を確認し、年間の受給総額を算出しましょう。夫婦の場合は、お二人分の年金額を合算します。

ステップ2:金融資産を整理する

退職金や預貯金、投資信託、株式など、すべての金融資産を洗い出し、総額を把握します。この際、資産を以下の2つに分けて考えることが重要です。

  • 生活防衛資金: 緊急時のために、生活費の半年分から1年分を目安に現金で確保しておくべき資金。これは運用に回しません。
  • 運用に回せる資金: 生活防衛資金を確保したうえで、老後生活を支えるために運用に充てる資金。

ステップ3:目標利回りを設定する

資産運用から安定的な収入を得るためには、ご自身のリスク許容度に応じた目標利回りを設定します。

  • 保守型(利回り1〜2%): 預貯金や国債、安定型の投資信託が中心。元本割れリスクを極力抑えたい方向け。
  • バランス型(利回り3〜4%): 国内外の株式と債券をバランス良く組み合わせる運用。適度なリターンを狙いながら、リスクも分散させたい方向け。
  • 積極型(利回り5%以上): 株式の比率を高くして、高いリターンを狙う運用。リスクは高まりますが、資産を大きく増やせる可能性があります。

設定した目標利回りをもとに、運用に回せる資金から年間で得られる「運用益」を試算します。

 

ステップ4:毎月の引き出し額をシミュレーションする

最後に、ステップ1で確認した「年金収入」と、ステップ3で試算した「運用益」を合算し、毎月の生活費と照らし合わせます。

例:

  • 年金収入: 月20万円
  • 金融資産: 5,000万円
  • 目標利回り: 3%
  • 運用益: 年間150万円(5,000万円 × 3%)→ 月12.5万円相当
  • 合計収入: 月32.5万円

この場合、毎月の生活費が25万円なら、月7.5万円を趣味や旅行などの余裕資金として使える計算になります。さらに、インフレ率や寿命を加味した「資産寿命シミュレーション」を行うことで、資産が何歳まで持つかを具体的に把握できます。

具体的なシミュレーション例と注意すべきリスク

理論だけではイメージが湧きにくい方のために、代表的な3つのケースでシミュレーションを見てみましょう。

 

ケース1:年金月15万円+金融資産3,000万円(利回り2%)

  • 合計収入: 月20万円(年金15万円+運用益5万円)
  • 使える金額: 生活費を月18万円に抑えれば、月2万円を趣味などに使える計算。ただし、医療費が増えると赤字化のリスクがあるため、支出管理が重要。

ケース2:年金月20万円+金融資産5,000万円(利回り3%)

  • 合計収入: 月32.5万円(年金20万円+運用益12.5万円)
  • 使える金額: 生活費を月25万円と仮定すると、月7.5万円が余裕資金。趣味を楽しみながら、将来の医療費にも備えられる堅実なモデル。

ケース3:年金月22万円+金融資産7,000万円(利回り4%)

  • 合計収入: 月45.3万円(年金22万円+運用益23.3万円)
  • 使える金額: 生活費を月28万円に設定しても、月17万円以上の余裕が生まれる。ライフスタイルの幅を広げられる理想的なパターン。

計画を立てる際に注意すべき3つのリスク

シミュレーションはあくまで目安です。老後の資金計画には、いくつかの不確実性が存在します。

  1. インフレリスク: 物価上昇により、お金の価値が目減りするリスク。現金を多く持ちすぎず、インフレに強い株式や不動産などを組み込むことで対策できます。
  2. 市場変動リスク: 資産運用は、短期的に価値が下がる可能性があります。資産を債券や不動産などと分散投資することで、リスクを軽減できます。また、資産を一度に取り崩すのではなく、計画的に引き出すルールを決めておくことも重要です。
  3. 長生きリスク: 医療の進歩により平均寿命は延びています。想定以上の長生きによって、資産が尽きてしまうリスクです。公的年金の「繰下げ受給」を検討したり、資産寿命を延ばす運用を組み合わせることで対策できます。

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「見える化」に役立つツールと行動提案

「年金+資産運用」で毎月いくら使えるかを具体的に計算するには、以下のツールを活用するのがおすすめです。

  • エクセル: 自由度が高く、自分だけのシミュレーション表を作れます。複数のシナリオ(利回り1%、3%など)を比較するのに便利です。
  • 家計簿アプリや金融機関のシミュレーションサービス: 手軽に始めたい方には最適です。日々の収支を自動集計してくれたり、簡単な入力だけで将来のキャッシュフローを試算してくれます。
  • ファイナンシャルプランナー(FP)への相談: より精度の高い計画を立てたい場合におすすめです。FPは年金、投資、相続などを総合的に考慮し、個別の状況に合ったアドバイスをしてくれます。

まずは最初の一歩を踏み出そう

老後の不安を解消する第一歩は、「見える化」することです。

「ねんきんネットで年金見込額を確認する」

「現在の金融資産を一覧化する」

このシンプルな作業だけでも、自分がどの程度の余裕を持って生活できるかのイメージが具体的になります。

「見える化」された数字は、あなたのセカンドライフを支える最強の味方です。お金の不安から解放され、心から納得できる豊かな人生を送るために、今すぐ最初の一歩を踏み出してみませんか。

 

執筆者紹介

執筆者:塩川 卓司 (CFP® / 宅地建物取引士 / 証券外務員一種 / 相続アドバイザー) 独立系ファイナンシャルプランナー歴17年。相談実績500件以上。

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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格)・証券外務員1種・宅地建物取引士・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定)・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) (独立系FP会社株式会社住まいと保険と資産管理 所属)」https://www.mylifenavi.net/