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「【2024年義務化】相続登記は自分でできる?手続き・費用・登記後の活用まで徹底解説」

目安時間 16分

2024年4月1日から、「相続登記の義務化」 がスタートしました。
これまでは、相続で不動産を取得しても登記(名義変更)をしないまま放置しても罰則はなく、その結果、所有者不明土地 が全国で増加し、大きな社会問題になっていました。

改正不動産登記法により、これからは 相続開始または所有権取得を知った日から3年以内 に相続登記をしなければなりません。正当な理由なく怠った場合、10万円以下の過料 の対象となり、過料を払っても登記義務は消えません。

では、この相続登記は 自分でできるのかそれとも 司法書士に依頼すべきなのか
必要書類や費用、手続きの流れを知れば、自分でできるケースも多くありますが、権利関係が複雑な場合や相続人が多い場合は、専門家に依頼する方が安心です。

さらに、相続登記が終わった後の不動産はどうすべきかも重要なポイントです。放置すれば「負動産」になる可能性もありますが、売却・賃貸・活用などライフプランに合わせた選択肢があります。

 

本記事では、相続登記の義務化のポイント・自分でできるかの判断基準・費用相場・登記後の不動産活用方法 を、わかりやすく解説します。

2024年4月から義務化された相続登記とは?

相続登記とは?

相続登記 とは、相続で取得した不動産を 相続人の名義に変更する登記手続き のことです。
たとえば、親が所有していた土地や建物を相続した場合、その名義を自分の名前に変更するのが「相続登記」です。

なぜ義務化されたのか?

これまで相続登記は義務ではなく、放置しても罰則はありませんでした。
しかし、その結果、登記簿上の所有者が亡くなったまま何十年も放置され、誰が本当の所有者かわからない土地(所有者不明土地) が全国で急増しました。

国土交通省の調査によると、この所有者不明土地は 九州本島の面積を上回る規模 にまで広がり、公共事業や民間の土地活用を妨げる深刻な社会問題になっています。

こうした問題を解消するため、不動産登記法の改正 により 2024年4月1日から相続登記が義務化 されました。

 

義務化の内容

  • 相続の開始、または 自分が所有権を取得したことを知った日から3年以内 に相続登記を行う必要があります。
  • 「所有権を知った日」とは、遺産分割協議で自分がその不動産を相続することが決まった日と考えるとわかりやすいです。
  • この義務は 過去の相続にも遡って適用 されます。
罰則(過料)について

正当な理由なく期限内に相続登記を行わなかった場合、10万円以下の過料 が科されます。
注意したいのは、過料を支払ったとしても 相続登記の義務は残る という点です。
つまり、「罰金を払えばやらなくていい」というものではありません。

相続登記を怠った場合の3大リスク

相続登記を「今は使わないから…」と後回しにしてしまう方は少なくありません。
しかし、放置すれば放置するほどリスクは大きくなり、将来的には登記がほぼ不可能になるケース もあります。

 

特に重要な3つのリスク

1.権利関係が複雑化し、登記が困難になる

相続登記を長期間行わずに放置すると、相続人が次々と亡くなり、その子や孫に権利が移っていきます。

結果として、相続人の人数がネズミ算式に増加

  • 誰がどこに住んでいるのか分からない
  • 連絡先や生死すら不明な相続人がいる
  • 協力を得られない相続人が存在する

こうなると、遺産分割協議すら成立せず、事実上登記ができなくなります。
不動産の名義を変えるために膨大な時間と労力が必要になり、最悪の場合は裁判を経なければならないこともあります。

2.売却や担保提供が不可能になる

不動産を売却するには、登記簿上の所有者と実際の所有者が一致していること が必須です。

相続登記をしていない場合、登記簿上は亡くなった方のままです。

  • 売却契約を結べない
  • 銀行ローンの担保にできない
  • 不動産活用の選択肢が制限される

たとえ「今は売らない」つもりでも、将来急に売却や担保設定が必要になった時に、相続人が協力してくれなければ取引そのものが不可能になります。

3.差し押さえや第三者に持ち分を売却されるリスク

相続人の中に借金を抱えている人がいる場合、その人の債権者は 法定相続分による相続登記を代わりに申請 し、持ち分を差し押さえることができます。差し押さえられた持ち分は競売や売却にかけられ、第三者が共有者として登場することになります。この場合、残りの相続人だけでは不動産の売却や活用を自由に決められず、第三者の同意が必要になります。結果として、不動産の自由な利用が大きく制限されます。

 

新制度「相続人申告登記」で義務を果たす方法

相続人申告登記とは?

2024年4月からの相続登記義務化に合わせ、「すぐに相続登記ができない場合の救済策」 として新設された制度が 相続人申告登記 です。

これは、相続人が法務局に対して、

  • 相続が開始したこと
  • 自分が相続人であること
    を申告することで、相続登記の義務を果たしたものとみなす 仕組みです。

    精度の目的

    相続登記は、遺産分割がまとまらない場合や、相続人の中に音信不通の人がいる場合など、すぐに手続きを進められないケースがあります。こうした状況でも、相続登記の義務化による過料(罰則)を避けるための救済制度として、この申告登記が作られました。

申告登記のメリット
  • 単独で申告できる
    相続人が複数いる場合でも、1人だけで申告が可能。
    他の相続人の同意や協力を待たずに手続きができます。
  • 義務違反にならない
    期限内に申告登記をすれば、相続登記の義務を履行したとみなされ、過料を回避できます。
申告登記の注意点
  • 所有権移転の効果はない
    相続人申告登記は、名義を変更するわけではありません。
    そのため、この申告だけでは不動産を売却・担保提供することはできません。
  • リスクは残る
    相続人が増える、第三者に持ち分を取得されるなど、第2章で解説したリスクは解消されません。
  • あくまで「時間稼ぎ」
    最終的には正式な相続登記を行う必要があります。
手続きの流れ
  1. 法務局に提出する書類を準備
    • 亡くなった方の戸籍謄本
    • 自分が相続人であることを証明する戸籍謄本
  2. 「相続人申告登記申出書」を作成
  3. 管轄の法務局に提出

相続登記は自分でできる?手続きと必要書類

自分で相続登記はできるのか?

結論から言えば、相続登記は自分で行うことが可能です。
法務局の窓口や公式サイトには申請書のひな型や記入例が用意されており、必要書類を揃えて正しく申請できれば、専門家に依頼しなくても手続きは完了します。ただし、相続人が多い場合や権利関係が複雑な場合 は、書類作成や調整に時間と労力がかかるため、司法書士に依頼したほうがスムーズです。

相続登記に必要な書類

相続登記を行うには、以下の書類が必要です。

  1. 亡くなった方(被相続人)の書類
    • 戸籍謄本(出生から死亡までのすべて)
    • 住民票の除票(本籍地記載あり)
  2. 相続人の書類
    • 戸籍謄本
    • 住民票
  3. 不動産関係の書類
    • 固定資産税評価証明書(または課税明細書)
  4. 遺産分割協議を行った場合
    • 遺産分割協議書
    • 各相続人の印鑑証明書

※書類は市区町村役場や法務局で取得できます。

 

手続きの流れ

相続登記はおおまかに以下の流れで進めます。

  1. 必要書類を揃える
    戸籍・住民票・評価証明書などを収集します。
  2. 申請書を作成する
    法務局の記入例を参考に、自分のケースに合わせて作成します。
    (不動産の所在や地番、家屋番号などを正確に記入)
  3. 法務局に提出する
    管轄は、不動産の所在地を管轄する法務局です。
    郵送申請も可能ですが、初めての方は窓口で相談しながら提出するのがおすすめです。
  4. 登記の完了と通知書の受け取り
    不備がなければ1~2週間程度で「登記識別情報通知書(旧・権利証)」が交付されます。

 

自分でやる場合のメリットとデメリット

メリット

  • 司法書士報酬(5万~15万円程度)が不要
  • 手続きの流れを理解できる

デメリット

  • 書類収集や記入に時間と手間がかかる
  • 不備や記入ミスがあると再申請が必要
  • 相続人間の調整が必要な場合は負担が大きい

 

ここに文章を書く司法書士に依頼する場合の費用とメリット

司法書士に依頼する理由

相続登記は自分でもできますが、相続人が多い・権利関係が複雑・遠方に不動産がある といった場合には、書類の収集や申請手続きが非常に手間となります。こうしたケースでは、不動産登記の専門家である司法書士 に依頼することで、短期間で正確に登記を完了させることが可能です。

費用の目安

司法書士に依頼する場合、費用は以下のようになります。

費用項目 相場(目安)
司法書士報酬 5万~15万円円程度
登録免許税(法務局へ納付) 固定資産税評価額×0.4%
書類取得費用 数千円〜1万円程度

※不動産の数や所在地、相続人の人数などによって費用は変動します。

依頼するメリット
  1. 手続きの正確性とスピード
    専門家が書類を正確に作成するため、申請の不備による差し戻しややり直しがほぼありません。
  2. 相続人間の調整をスムーズに
    相続人が多い場合や連絡が取りにくい場合でも、司法書士が間に入り、必要な書類の取り寄せや署名捺印の取り付けを代行してくれます。
  3. 複雑な案件にも対応可能
    他県に複数の不動産がある場合や、過去の登記が古く書類不足のケースでも、解決のためのノウハウがあります。
  4. 心理的な負担の軽減
    自分でやると、何度も役所や法務局に出向く必要があり精神的な負担も大きいですが、司法書士に依頼すればその負担をほぼゼロにできます。
依頼したほうが良いケース
  • 相続人が4人以上いる
  • 不動産が複数の自治体にある
  • 相続関係が複雑(再婚・養子など)
  • 遺産分割協議書の作成が必要
  • 自分での申請に不安がある

相続登記後の不動産はどうする?活用・売却・管理の選択肢

登記が終わったら安心…ではない

相続登記が完了すると、その不動産は正式に自分(または相続人)の所有物になります。しかし、相続登記をしただけで問題が解決するわけではありませんむしろ、その後の管理や活用を考えなければ、「負動産」化するリスクがあります。

登記後に直面する可能性のある問題
  • 固定資産税の負担
    使わない不動産でも毎年固定資産税が発生します。特に都市部以外の土地や建物は、利用予定がない場合、税負担だけが残ります。
  • 空き家リスク
    空き家を放置すると倒壊・放火・害虫被害などのリスクがあり、周辺住民に迷惑をかける可能性があります。
  • 資産価値の低下
    人口減少エリアでは、不動産価格が年々下落する傾向があり、将来売りたくても売れないケースがあります。
不動産活用の4つの選択肢

相続登記が終わった不動産は、次のような方法で活用できます。

  1. 売却する
    不動産を現金化することで、相続人間で分割しやすくなります。
    特に利用予定がない土地や建物は、早めに売却することで価値の目減りを防げます。
  2. 賃貸する
    建物が利用可能な場合は賃貸として貸し出し、家賃収入を得られます。
    土地の場合も駐車場や太陽光発電用地などに活用できるケースがあります。
  3. 自分や家族で住む
    実家や空き家をリフォームして住むことで、固定資産税の負担を有効活用に変えられます。
  4. 不動産を組み替える
    相続した不動産を売却して、その資金で別の不動産を購入・投資に回す方法です。
    資産の効率的な運用や相続税対策にもつながります。
活用方法を決めるための3ステップ
  1. 不動産の現状を把握する
    立地、利用状況、資産価値、維持費を確認します。
  2. 自身や次世代のライフプランを整理する
    今後の生活設計や家族の意向を踏まえて方向性を決めます。
  3. 専門家に相談して活用方針を決定する
    不動産会社やファイナンシャルプランナー、税理士など複数の専門家の意見を参考にします。

まとめ|相続登記は早めに・確実に・計画的に

2024年4月からスタートした相続登記の義務化は、すべての不動産相続人に関わる重要なルールです。
「まだ使わないから後で…」 という先延ばしは、将来大きなトラブルを招きます。

 

本記事のポイント

  • 相続開始または所有権取得を知った日から3年以内に登記が必要
  • 正当な理由なく怠れば10万円以下の過料が科される
  • 放置すると権利関係が複雑化し、売却や担保設定が不可能になる
  • 「相続人申告登記」で義務を履行できるが、根本解決にはならない
  • 自分で手続きできるが、複雑な場合は司法書士の活用が安心
  • 登記後は不動産の活用・管理方法を早めに検討することが重要
相続登記を成功させるための3つの行動
  1. 期限を意識して早めに動く
    相続発生後は、できるだけ早く書類の収集と登記準備を始めましょう。
  2. 状況に応じて専門家を活用する
    相続人が多い、遠方の不動産があるなどの場合は、司法書士や相続の専門家に依頼するとスムーズです。
  3. 登記後の不動産活用も視野に入れる
    登記がゴールではなく、その後の活用・処分・管理までを含めたライフプランを立てましょう。
行動を先延ばしにしないために

相続登記は、やろうと思えば比較的短期間で完了しますが、「やらないまま時間が経つ」 ことで一気に難易度が上がります。
特に複数の相続が重なった場合や相続人が行方不明の場合は、登記が事実上不可能になることもあります。

そのため、相続発生後はできるだけ早く行動を起こすことが、最も重要なポイントです。

最後に

相続登記は義務化により「やらなければならない手続き」になりましたが、同時に将来の資産管理と家族の安心を守る第一歩でもあります。早めに・確実に・計画的に進めることで、不動産を「負の遺産」ではなく「価値ある資産」として次世代へ引き継ぐことができます。

 

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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格) ・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 ・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定) ・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) ・宅地建物取引士  ・証券外務員1種