当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

60代のマイホーム活用“総合ガイド”|住み替え・売却・賃貸をFPが比較

目安時間 20分

このページは、60代以降の「マイホームをどう活かすか?」を整理するための総合ガイドです。「住み替え」「売却」「賃貸」「リバースモーゲージ」など複数の選択肢を、FP(ファイナンシャルプランナー)視点で比較・整理しています。

老後の生活で最も大きなテーマである「住まい」と「お金」の不安を解消するため、まずは全体像を把握し、あなたに合った道筋を見つけてください。

ポイントは次の3つです。

  1. “比較”で全体像をつかむ: どの選択肢が自分に向いているのかを、メリット・デメリット・費用感で一覧できるようにまとめています。
  2. “判断軸”を明確にする: 感情(住み慣れた家への思い)・経済(資金計画)・将来(健康・相続)という3つの視点から、自分に合った方向性を見つけます。
  3. “深掘り記事”で実行ステップへ進む: 各章の終わりに、売却・賃貸・住み替えなどテーマ別の詳細記事を案内。興味のあるテーマをクリックすれば、実務的な手順や注意点まで理解できます。

💡 このページ=全体地図、リンク先=専門ルート

 

まずはここで全体を把握し、自分の進みたい道を見つけてください。

――では、実際にあなたの「今の住まい」を見つめ直してみましょう。

まず現状を数値化:住まいコストと生活動線チェック

「このまま今の家に住み続けてよいのか」を判断する第一歩は、現状を“数字”と“生活動線”の両面から見える化することです。

① 住まいにかかる「維持コスト」を棚卸しする

多くの方が「感覚的に高い」と感じていても、実際に数値で把握していないケースが少なくありません。まずは、以下の項目を整理し、**「1年間の住まい関連支出の総額」**を明確にしましょう。

  • 固定資産税・都市計画税(市町村課税)
  • 管理費・修繕積立金(マンションの場合)
  • 光熱費(電気・ガス・水道)
  • 火災保険・地震保険(年換算額)
  • 修繕・メンテナンス費(給湯器・外壁など、年平均の積み立て額)

特に築20年以上の戸建てやマンションは修繕コストが急増するため、この数字を把握することが「維持コストの実態」を明確にする鍵となります。

② 将来のリフォーム・修繕リスクを見える化

外壁や水回り設備には耐用年数が存在します。「5年以内に大規模修繕が必要になりそうか?」を確認するだけでも、“今の家に住み続けるコスト”と“住み替えるコスト”の比較材料になります。

💡 参考記事:

具体的なバリアフリー化の目安を知りたい方はこちら

👉 [老後に優しい家の条件とは?バリアフリー+資産価値で考える]

③ 生活動線・利便性のチェック

数字だけでなく、**暮らしやすさの質(QOL)**も重要です。特に60代以降は、次のような生活動線・利便性を再確認しておきましょう。

  • 階段や段差が多く、将来的に移動が不安にならないか
  • 駅・バス停・病院・スーパーまでの距離が遠すぎないか
  • 冬の寒暖差やヒートショックのリスクがないか
  • 夜間の照明・転倒防止など安全面の備えが十分か

これらのデータをもとに、「現状のまま住み続ける」場合の総コストを試算すれば、“今の家にとどまるか、動くか”の判断基準を数値で持つことができます。

60代の主要選択肢を一望:住み替え/売却/賃貸の比較表

現状を整理したら、次に考えるべきは「これからどんな住まい方を選ぶか」です。60代のマイホーム活用には、主に「住み替える」「売却して資金化する」「貸して収益化する」の3つの選択肢があります。

🔹 主要3選択肢の比較表

以下の表は、FP視点で整理した「住み替え」「売却」「賃貸」の特徴です。まずは全体像を比較して、自分に合う方向を見つけましょう。

 

比較項目 住み替え 売却 賃貸(貸す)
主な目的 生活の利便性向上・老後の安心 資金化・老後資金の確保 資産を保有しつつ収益化
メリット 生活動線の改善・維持費削減・新生活 まとまった資金が得られる・維持負担ゼロ 家賃収入が得られる・資産を残せる
デメリット 売買・引越しコスト・環境変化のストレス 住まいを失う心理的負担・譲渡税発生 空室・修繕リスク・管理の手間
向いている人 今後の生活動線・利便性を重視する人 老後資金やリフォーム費用を確保したい人 不動産を手放さず資産として活かしたい人
初期費用/手間 中〜大(購入・売却・引越し) 中(売却準備・税金) 小〜中(管理委託・修繕など)
維持費 新居次第(減るケースが多い) なし 管理・修繕コストが継続
税金面 買換特例・登録免許税など 譲渡所得税・特別控除あり 所得税(不動産所得)発生
将来の柔軟性 高(新居選び次第) 低(資産が現金化) 中(契約形態による)

 

🧭 比較のポイント「どれが得か」ではなく、**“何を優先したいか”**で選ぶことが大切です。生活の利便性・資金の安定・家族との関係など、軸を明確にすると判断がブレにくくなります。

 

🔹 選択肢ごとの特徴を掘り下げたい方へより詳しい検討をしたい方は、以下の関連記事でテーマ別に確認してみてください。

✅ 住み替えの実例と成功のポイントはこちら👉 [【シニア世代の住み替え】これからの人生をもっと快適にする住まいの選び方]

✅ 売却を考えている方はこちら👉 [【損しない】定年後の不動産売却で気をつけるべきポイント]

✅ 貸して活かす選択を知りたい方はこちら👉 [不動産は資産か負債か?「空き家化」「修繕費高騰」を避ける老後持ち家活用の3条件]

 

住み替え:ダウンサイジング/駅近マンション/U・Iターン

60代にとって「住み替え」は、これからの暮らしをより快適に・安心にするための前向きな選択です。維持費や老朽化の不安を解消し、生活・資金・家族の将来をトータルに見直す機会となります。

① 住み替えの3つの代表パターン

  • ダウンサイジング(同じ地域で小さな家へ): 維持費や光熱費が減り、老後の家計負担を抑えられます。階段のない平屋やエレベーター付きマンションを選ぶことで、将来の介護リスクも軽減。
  • 駅近・利便性重視マンションへの住み替え: 通院・買い物・交通アクセスを重視し、「車を手放しても暮らせる環境」を確保できる点が大きなメリットです。
  • U・Iターン/自然の多いエリアへの移住: 地方や郊外でゆとりあるセカンドライフを追求。ただし、医療・買い物などの利便性や交通手段確保の検討が欠かせません。

💡 FPの視点から「住み替え=支出」ではなく、「将来コストを抑える投資」と考えるのがポイント。修繕費や管理負担を先回りで軽減できるため、**“人生後半の安心コスト”**を買うイメージです。

② 住み替えに迷ったら:FPが見る判断ポイント

以下の点を総合的に見て、「今」と「これから」どちらを優先するかを明確にすることが大切です。

  • 「階段・段差・坂道の多い生活環境」になっていないか
  • 「通院・買い物」が徒歩圏で完結するか
  • 「今の家を修繕しながら住み続ける」方がコスト的に合理的か

🔗 関連・参考記事🔸 具体的な住み替えパターンと選び方を知りたい方はこちら👉 [【シニア世代の住み替え】これからの人生をもっと快適にする住まいの選び方]

 

売却:資金化と老後資金づくりの基本

マイホームを「売却する」という選択は、老後の資金を確保したり、住み替えを進める上で非常に有効な手段のひとつです。現実的な資金計画と税金の理解を合わせて進めることが大切です。

① まずは「市場価値」を正確に知る

売却を考える最初のステップは、現在の家の価値を客観的に把握することです。不動産会社3社程度に査定を依頼し、価格の“相場レンジ”を知りましょう。

💡FPの視点:「売却価格=手取り金額」ではありません。仲介手数料・登記・税金などの諸費用で売却価格の約5%前後が差し引かれるのが一般的です。手取り額の試算から始めましょう。

② 老後の売却で重要な「税金・特例」

老後の住まいを売却する際に特に重要なのが、譲渡所得税と各種特例の理解です。税制の知識は、手取り額の最大化につながります。

  • 3,000万円特別控除: 居住用の自宅を売却したとき、利益から3,000万円を控除できる最も強力な特例です。
  • 買換特例: 住み替え目的の売却時に、課税を将来に繰り延べできます。
  • 長期譲渡所得の軽減税率: 所有期間5年以上の自宅に適用され、税率が軽減されます。

🧭 詳細解説:「税金・特例・相続との関係」を整理したい方はこちら👉 [相続前or相続後?不動産売却で損しないための税金・特例・判断ポイント]

③ 売却をスムーズに進めるための準備

内見時の印象は価格交渉に影響します。事前に「室内・外観の整理・清掃」や、水回りなどの軽微な修繕を行うことで、結果的に高値売却につながるケースが多くあります。

 

🔗 関連・参考記事🔸 売却実務をもっと詳しく知りたい方はこちら👉 [【損しない】定年後の不動産売却で気をつけるべきポイント]

 

H2 5. 賃貸:売らずに貸して収益化する選択

「今の家を手放すのは惜しいけれど、空き家のままにしておくのはもったいない」そんな方に注目されているのが、“貸して活かす”というマイホーム活用法です。家賃収入で老後の生活資金を補う手段として関心が高まっています。

① 賃貸契約の主要な方式

賃貸化には、オーナーが自宅に戻りにくい「普通借家契約」や、期間を限定して貸すことで将来的に自宅に戻りやすい**「定期借家契約」、不動産会社が一括借り上げする「サブリース契約」**などがあります。

💡 FPの視点:将来的に「再び住む」「子どもに貸す」などの可能性がある場合は、定期借家契約が現実的な選択肢となります。

② 貸す前に確認すべき3つのポイント

  • 想定家賃と維持コストの差額を試算する: 家賃収入から、固定資産税・管理委託費・修繕費などを差し引き、実際の“手取り収入”を確認します。
  • 空室リスクへの備えを持つ: 空室が続けば収入が途絶えます。最低でも「3か月分の維持費」は予備費として確保しておきましょう。
  • 管理体制を明確にしておく: 家賃回収や入居者対応を自分で行うのか、不動産管理会社に委託するのかで、手間とコストは大きく変わります。

③ リバースモーゲージとの比較

賃貸化は「資産を保有し、定期収入を得る」方法ですが、売却せずに資金を得る方法には「リバースモーゲージ」もあります。リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受け、契約者が生存中は自宅に住み続けながら、死亡後に自宅を売却することで元本を返済する仕組みです。

 

観点 賃貸 リバースモーゲージ
資金化 家賃収入で定期収入 継続的または一括で資金確保
居住 △ 契約による(転居後貸す) ◎ 自宅に住み続け可能
相続 ◎ 資産として残せる △ 残債分は資産から控除

 

 

🔗 関連・参考記事🔸 空き家や老朽化リスクを抑えるコツはこちら👉 [不動産は資産か負債か?「空き家化」「修繕費高騰」を避ける老後持ち家活用の3条件]

 

税金・特例・相続の要点(“選択”が税負担を左右)

どの選択を取るにしても避けて通れないのが、「税金」と「相続」の視点です。同じ不動産でも、「どう活用するか」によって課税額が大きく変わります。

① 住まいの売却に関わる税金と特例の選択

売却益が出た場合の「譲渡所得税」対策として、「3,000万円特別控除」や「買換特例」が重要です。

💡 FPの視点:住み替えを検討している場合は、「買換特例」と「3,000万円控除」どちらが有利かを事前に比較しておくことが重要です。一度売却契約を結んでしまうと、選択を変更できません。

② 賃貸に出す場合の注意点

家を貸して収益を得ると、「不動産所得」として給与や年金と合算して総合課税されます。また、貸した瞬間に「居住用財産」から外れるため、将来売却する際に「3,000万円特別控除」が使えなくなる場合があります。

③ 相続を見据えた「住まいの引き継ぎ方」

自宅は分けにくい資産=トラブルの原因になりやすいからです。以下の対策を早めに検討しましょう。

  • 評価額を下げる: 「小規模宅地等の特例」を活用し、最大80%の評価減を目指す。
  • 共有を避ける: 遺言書や遺産分割協議で単独所有に決め、トラブル防止・売却手続きをスムーズにする。

🔸 FPまとめ:「売る」「貸す」「残す」――どの選択も正解です。重要なのは、家計と相続を一体で考えること。“老後の安心”と“家族への配慮”を両立できる設計が理想です。

 

🔗 関連・参考記事👉 [相続前or相続後?不動産売却で損しないための税金・特例・判断ポイント]

 

判断のためのチェックリスト(感情・経済・将来の3軸)

住まいの選択に「正解」はありません。大切なのは、“自分にとって納得できる選択”を見つけることです。感情・経済・将来の3つの軸から、自分の現状を確認してみましょう。

① 感情の軸 ― 「今の家」にどれだけの想いがあるか

  • 長年暮らしてきた地域に強い愛着がある
  • 家への思い入れよりも、今後の生活の安心を優先したい

② 経済の軸 ― 家計に無理のない選択かどうか

  • 年金+資産収入で今の家を維持できる
  • 売却・貸出・担保化などで得られる資金の「使い道」を明確にしている

③ 将来の軸 ― ライフステージと家族の視点

  • 今後の健康状態や介護リスクを考慮している
  • 子どもや家族と今後の住まいの方針を話し合った
  • 相続時に不動産をどう扱うか(残す・売る・分ける)をイメージしている

💡 FPのアドバイス:判断の基準は「便利」よりも「続けられるか」。60代以降は、“体の変化”と“家族の関係性”を前提に選ぶことが重要です。

 

🔗 関連・参考記事🔸 住まい方の判断基準をもう一段深めたい方はこちら👉 [賃貸か?持ち家か?60代からのベストな住まい方とは]

 

実行ロードマップ:失敗しない段取り(時系列)

「自分に合った方向性」が見えてきたら、焦らず計画的に進めることが成功の鍵です。一般的な流れを3ステップ(約6か月想定)で整理しました。

第1ステップ(1か月目):現状整理と方向性の仮決定

  • 現在の住まいの資産価値・維持コストを数値化
  • 家族と「今後どこで・どんな暮らしをしたいか」を話し合う
  • 売却・賃貸・住み替えそれぞれの資金シミュレーションを比較

第2ステップ(2〜3か月目):準備と実務の着手

  • 不動産会社への査定依頼・賃料相場調査を実施
  • 税理士・FP・宅建士などへ相談し、税金・手続き・資金繰りの確認
  • 「仮住まい」「引越し時期」など、実務スケジュールを明確化

第3ステップ(4〜6か月目):実行・契約・新生活スタート

第3ステップ(4〜6か月目):実行・契約・新生活スタート

  • 売却や賃貸の契約締結 → 引渡し準備
  • 新居の契約・リフォーム・引越し手配
  • 公的手続き(住所変更・登記・税務申告など)を順に実施

💬 FPメッセージ:マイホームの活用は、単なる取引ではなく人生の再設計プロジェクトです。「焦らず・計画的に・第三者の視点を交えて」進めることが、失敗を防ぐ最大のポイントです。

 

まとめ

ここまで、60代からのマイホーム活用について、様々な選択肢を見てきました。多くの方が感じる「どれが正解かわからない」「後悔しないか不安」という“決断の迷い”は、真剣に人生の後半を考え始めた証拠です。

① マイホーム活用の3原則を思い出してください

  • 感情と数字の両面で判断すること
  • “住まい=資産”として活かす視点を持つこと
  • 専門家と一緒に考えること

どんな方法を選んでも、最終的に目指すのは「安心して暮らせる家計と、後悔しない人生後半の住まい方」です。

② “一人で決めない”ことが成功への近道

マイホームに関する判断は、金額も影響範囲も大きいため、不動産(価格・戦略)、税理士(税金)、FP(家計・資産)など、それぞれの専門家の視点を組み合わせることが大切です。“いま”決断する必要はありません。ただし、“今の状況を整理しておく”ことは、いつでもできます。それが「安心して選べる状態」をつくる第一歩です。

③ 次のステップ ― 安心して行動に移すために

「家をどうするか」ではなく、「どんな人生を送りたいか」から考えてみましょう。本記事で紹介したチェックリストをもとに、あなたの現状・理想・課題を明確に整理することから始めてください。

 

最後に:

マイホームは、人生の思い出と共にあなたを支え続けてきた大切な資産です。これからは、その家を“あなたの未来をつくる力”として活かしていきましょう。

 

 

執筆者紹介

執筆者:塩川 卓司 (CFP® / 宅地建物取引士 / 証券外務員一種 / 相続アドバイザー) 独立系ファイナンシャルプランナー歴17年。相談実績500件以上。

※直接FP相談をご希望の方は → 初回相談のご案内はこちら

コメントフォーム

名前 

 

メールアドレス 

 

URL (空白でもOKです)

 

コメント

CAPTCHA


 

トラックバックURL: 

ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格)・証券外務員1種・宅地建物取引士・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定)・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) (独立系FP会社株式会社住まいと保険と資産管理 所属)」https://www.mylifenavi.net/