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相続の『平等は公平ではない』という話

目安時間 5分

こんにちは、塩川です。

 

今日は、『平等は公平ではない』という話
をしたいと思います。

 

世にいう法定相続分とは、
平等を原則としています。

おおまかに、
配偶者が2分の一、子は残りの2分の一を
均等に分けるのが法定相続分です。

 

(父や母や兄弟姉妹が相続人になる場合
は、今回は一旦置いておきます)

 

一見相続は、法定相続分で分けるのが良い
感じがしますが、次のようなケースはどうでしょうか?

 

////////////////////////////////////
父(被相続人)が家業をしている!
既に母は他界していて、子は3人。

子のうちの長男が家業を手伝い引き継ぐ予定で
父の資産額より家業の資産額が圧倒的に大きい場合

例えば自宅不動産が家業の仕事場になっていて
株式資産以外で、父の個人名義の金融資産が少ない場合

//////////////////////////////////////

 

上記のようなケースでは、
子3人が法定相続分にこだわると、
家業が続けられなくなる可能性が出てきます。

 

というのも、他の兄弟達と均等に
分けるためには、家業を行っている不動産や
株式を承継する長男の相続財産額が大きくなり
長男は各兄弟に代償金(代償分割)を支払う
必要が出てきます。

 

長男がその分の資産をたくさん
持っていれば解決しますが、
普通は家業承継の代償金を払えるほどの資産を
持ち合わせず、仕方なく家業の仕事場である
不動産を売って、長男は代償金を
支払わなければならなくなる

という事態になってしまったら、その後の
家業の継続は難しくなります。

 

そうならないために、
遺言という制度があり、経営者である
父が家業が問題なく長男に承継できる
よう、その遺言の中で財産を分け方を
指定しておくことができます。

 

ただ、遺言だけでは完全にはなりません。

 

遺留分という制度があり、
相続人は遺留分に満たない
金額を、法定相続分より多く受け取る相続人
(事例では長男)に請求ができてしまいます。

 

遺留分は法定相続分の2分の一ですが、
その遺留分の支払いでも、長男が家業を継続できなく
なるというケースも出てきてしまいます。

 

では、遺言だけでは完全ではなく、
事前対策として他に何ができるのか?

 

後は、経営者である父親が子供たちに
家業の継続の大切さを伝え、理解させて
おくことしかありません。

 

日頃から父親の家業に取り組んでいる
後ろ姿を子供たちに見せておくことに加え、

相続人含め生前の遺産分割協議の実施が
ポイントになります。

 

勿論、生前の遺産分割協議書は、相続発生後においては
法的には無効です。

 

ただ、父親(被相続人)が家業の大切さや
事業継続の必要性を
子供たちに伝え、それを承継してくれる
長男を尊重する土壌を作っておくことが
大切ということになります。

 

家業以外の資産は後継者以外の子供たちに
ということを親が直接伝え、子供達が納得して
いることが大切です。

 

それら一連のことをしておくことで、
平等ではないが、公平性を成就することができ
家業を承継することができるのです。

 

以前に(明治31年~昭和22年)
平等相続ではなく、家督相続の時代がありました。

家督相続とは、長男が家督を代々引き継いでいく
という制度です。

 

現代に、家督相続は合いませんが
家業や代々伝わる家を長男が引き継いで因を繋げて
いくという、部分的な家督族相続の考えを
取り入れていくことは、法律とは別に
大切な視点だと思うのです。

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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格) ・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 ・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定) ・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) ・宅地建物取引士  ・証券外務員1種

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