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「法定後見と任意後見と家族信託」について

目安時間 8分

成年後見制度は、「財産管理」と「身上保護」の制度になり
法定後見制度と任意後見制度の2つの制度があります。

 

又、家族信託制度は「財産管理」の制度です。

 

どれも、本人の身体上の問題、判断能力の問題を
助ける制度です。

 

それぞれの制度を活用するうえで、
判断のサポートになるよう
そのそれぞれの特徴と違いについてまとめてみました。

 

成年後見制度とは

認知症や知的障害、精神障害などの理由で判断能力が
不十分な方々の

預金管理や売買契約、遺産分割といった『財産管理』
介護契約や入所契約、入院契約といった『身上保護』

「本人のため」をキーワードに
支援する制度が成年後見制度です。

 

後見制度の理念は、
本人が本人らしく暮らすための権利擁護にあり
できるだけ残存している本人の意思決定を尊重し
その意思決定を支援するというところにあります。

 

成年後見制度には、
法定後見制度と任意後見制度の2つの制度があります。

 

法定後見制度とは

法定後見制度は、家庭裁判所によって
成年後見人等が選ばれます。

 

また、本人の障害や認知症の程度に応じて

 

軽度である「補助」
中度である「保佐」
重度である「後見」

 

の3つの種類が用意されています。

 

選ばれた成年後見人は、本人の利益を考えながら、
本人を支援または代理して
契約などの法律行為や同意、
又本人が同意を得ないで行った不利益な
法律行為を後から取り消すなど、
本人の保護と支援を行います。

 

任意後見制度とは

任意後見制度とは、本人がひとりできめられるうちに、
将来の心配(認知症や障害など)に備えて、
あらかじめ本人自身で選んだ人(任意後見人)に
代わりにしてもらいたいことを契約(任意後見契約)
で決めておく制度です。

 

任意後見契約の契約書は公証人の作成する
公正証書で結ばなければなりません。

 

本人の判断に心配がでてきた段階で
手続きが申し立てられ、
その後家庭裁判所で任意後見監督人が選任されて、
任意後見契約の効力が生じることになります。

 

この手続きを申立てることができるのは、
ご本人やその配偶者、四親等内の親族、
任意後見受任者です。

 

任意後見契約には3つの類型があります。

 

1,将来型
任意後見契約締結後、心配な症状が出て手続の
申立てがなされるまでは契約の効力は生じません。

 

2,即効型
任意後見締結後、ただちに契約の効力が生じます。
既に本人に心配な症状が現れ手続きを申立てる流れになり
タイミング的に難しいケースも多くなります。

 

3,移行型
生前事務委任契約⇒任意後見契約⇒死後事務委任契約
と3つの契約をあらかじめ結んでおき
本人の状態や症状にあわせて
それぞれの契約の効力が発生していきます。

 

※段々と認知症になる!現場の実態
に即した型だと思われます。

 

法定後見制度と任意後見制度の違い

1,後見人の決定

 

法定後見⇒家庭裁判所

任意後見⇒本人

 

2,後見人ができること

 

法定後見⇒法律および家庭裁判所の審判で与えられた行為

任意後見⇒本人が任意後見受任者との契約で決めた行為
※内容、状況によっては実現できない行為もあります。

例えば、本人の居住用財産の処分
家庭裁判所の許可が必要になり
否認される場合もあります。

 

3,監督人の有無

 

法定後見⇒状況に応じて

※後見人と被後見人に利益が相反する場合など

任意後見⇒監督人は必須

 

4,取消権(本人が行った契約などの)

 

法定後見⇒有

任意後見⇒無 (代理権だけ)

※任意後見制度は法定後見制度に比べ
より本人の意思決定権を尊重しているため

 

5,後見人等になれる人

 

法定後見⇒制限あり(家庭裁判所が選出)

任意後見⇒本人の自由(一定の制限あり)

 

家族信託とは

成年後見制度は「財産管理」と「身上保護」の
2つの側面の制度ですが、

 

家族信託は「財産管理」のみの制度です。

 

家族信託は、課税なく、
財産の名義だけを(たとえば)「子」に移し、
「親」のために管理処分してもらう
環境をつくる制度になります。

 

財産の権利と税関係は親のままなので、
対象財産が自宅なら売却する際のマイホーム特例や
長期譲渡所得の特例が使えたり
又、対象財産が金銭の場合には親のために費消して
目減りさせても税関係は発生しません。

 

家族信託の主な目的は、
認知症による資産凍結の回避
ということがあげられます。

 

家族信託により、法律上の所有権が
受託者に移転することにより
成年後見よりも自由度が高く
独自の財産管理のかたちが描けるように
なります。

 

成年後見制度との大きな違いは

成年後見制度は認知症になってから
手配が始まる「対症療法」
であるのに対し

家族信託は、認知症になる前に手当をする
「計画的な備え」

である点になります。

 

おわりに!

成年後見制度による財産管理でも支障がなければ、
認知症になってから成年後見制度で対処すれば良く

支障がある場合には、認知症になる前に、
家族信託で準備するのが望ましくなります。

 

例えば、成年後見制度では、金融商品は、元本割れのない
預金にしておくことが推奨される傾向があります。

インフレに負けない財産保全のための資産運用
をするなどの行為は家族信託でないとできない
ほぼできません。

 

一方で、身上保護の側面では、
成年後見制度の独壇場になります。

 

身上保護の側面と独自の財産管理の設計は
両方必要になる場面も多く
どの制度がよいのではなく、それぞれの特徴と
家族のライフデザインを考え成年後見制度と家族信託を
補完させ合うのが望ましいと考えます。

 

 

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ファイナンシャルプランナー塩川

ファイナンシャルプランナー塩川

・CFP(FP上級資格) ・NPO法人相続アドバイザー協議会 認定会員 ・不動産後見アドバイザー(全国住宅産業協会認定) ・高齢者住まいアドバイザー(職業技能振興会認定) ・宅地建物取引士  ・証券外務員1種

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